アイ工務店(大阪市)は、東京商工リサーチ2020年11月調査において、2010年度から2019年度の10年間で住宅会社売上高成長率第1位となったことを発表した。
2010年に設立、創業11年目を迎える同社は、2019年度に引渡し棟数2282棟(前年比136%)、売上539億円、経常利益69億円、経常利益率12.8%を達成した。2020年度は、引渡し棟数2600棟、売上624億円、営業利益71億円、経常利益72億円、経常利益率12.0%を見込む。2020年1月には、大手ハウスメーカー出身の松下龍二氏が代表取締役社長に就任。事業構造改革に取り組み、3年で売上1000億円を目指すという。
今後の成長戦略として「保証体制」の強化を実施。契約する全ての住宅に同社独自の「20年初期保証」を付与し、「構造体・防水」の10年初期保証を20年に延長するとともに「防蟻」も20年初期保証の対象とする。
また、営業拠点を現在の103カ所(20都府県)から今期末の6月には124カ所(24都府県)に拡充。1月には、兵庫県の「ハウジングデザインセンター神戸」に「見て、触れて、体感できる総合施設」として、約700坪のワンフロアすべてを活用した「アイスタジオ神戸」を開設。石川県金沢市には、約1000坪の広大な敷地に、福岡に続き2つ目の「金沢アイパーク」を開設する。今後、寒冷地への拠点展開も予定している。
新規軸事業として「AI-COSS(アイコス)=アイ工務店が培ってきた生産性が高い仕組みやノウハウを共有する総合的支援システム」を地場工務店に提供するアイコス事業を推進。2020年12月現在、12社と契約しており、3年後には100社との業務提携を目指すという。
同社は新型コロナウイルス対策も行っており、テレワーク促進のための在宅勤務環境整備手当(社員一人あたり20万円)や、子どもへの教育支援金とあわせて、4~5月に総額2億円を一時金として支給。展示場来場者への感染予防対策として、全展示場にマスクやアルコール除菌剤などの備品を用意したほか、抗菌・抗ウイルス効果のある光触媒コーティングを実施している。さらに社員の感染を想定し、療養のための特別休暇制度ならびに傷病見舞金の支給規定を新たに策定した。