大手住設建材各社による2025年3月期決算の発表・説明会が先月で終わった。内容の良し悪しは異なる事業構造の反映で様々だったが住宅産業新聞が取材した全社で国内事業業績に共通点があった。
売上高と営業利益の双方で販売数量の減少による業績下落をコスト転嫁を理由とする値上げ効果が底上げし、特に増益面で増加コストの転嫁が強く作用した点だ。
海外やリフォーム市場で事業を拡大するにしても、売上高の大部分を占める国内新築住宅市場向け事業で今後も続く可能性がある、販売数量の減少・伸び悩みとコスト増にどう向き合うのか。手腕が問われる状況は今後も続く。
先月までに2025年3月期決算の発表・説明会を終えた主な大手住設建材企業はTOTO、LIXIL、YKKAP、タカラスタンダード、クリナップ、JKホールディングスなど。これらの企業が国内事業で25年3月期に販売した住宅向け製品群の数量は新築住宅着工戸数の減少が強く反映され、リフォーム向けで需要が底堅い温水洗浄便座付トイレ製品群以外は、ほぼ全ての製品群で販売量を減らした。
また、決算説明会の質疑応答で、国内事業が増収増益となったものの対前期比で売上高の増加率が数%以内だった企業に対して行った質問「売上高がプラスになった最大の要因は過去の値上げ効果との理解でよいか」について、いずれの企業も「その認識で結構だ」と答えた。
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