住宅ローンの頭金とは? 目安額と注意点をFPが解説!
住宅を購入する際に、頭金をどのくらい用意する必要があるのかについて悩まれる人も多いと思います。もちろん、多く用意できれば後々の返済額も少なくすることにつながりますが、一気に多額の出費を行い、その後の生活に支障が出るようなことがあってはいけません。 住宅ローンの頭金の目安、そして頭金を決める際の注意点についても合わせて解説します。
頭金ってなに?
住宅ローンに限らず、ローンには頭金という言葉があります。頭金とは「ローンを組んで商品を購入する際に、その購入金額の一部を先に支払うことで借入額を抑える」ものです。車を購入する際のマイカーローンでも頭金を払うこともあります。 頭金は、もちろん自分で用意することが一番ですが、親からの援助を受けてそれを頭金にすることもできます。もし、そのような場合であれば、金額にもよりますが「住宅取得等資金のための贈与税非課税枠」を利用するようにしましょう。 親からの援助は贈与とみなされ、通常の贈与税は110万円まで非課税ですが、住宅購入のための資金援助の場合であれば一般住宅は1000万円、省エネ等住宅の場合は1500万円までが非課税です(適用期間は2021年3月31日まで。それ以降の2021年12月31日までは一般住宅は700万円、省エネ等住宅の場合は1200万円となります)。(住宅用の家屋の新築等にかかる対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合)
頭金なしも可能? その場合のデメリットとは?
昔は2割程度必要といわれていた住宅ローンの頭金ですが、最近では頭金なしで住宅ローンを申し込むことも可能です。実際に多くの金融機関において、頭金なしでの申し込みを受け付けています。 しかし、そもそも頭金とは住宅購入費用の一部を先払いすることで総借入額を抑えることを目的としていることから、頭金なしで住宅ローンを組むということは総返済額が多くなるということにつながります。毎月の返済額はもちろんのこと、返済期間も長くなることになりますので、頭金をなしにするかどうかは慎重に考えるほうがいいでしょう。 また、頭金なしで住宅ローンを組む際のデメリットについては、先ほど述べた「返済総額が多くなり、毎月の返済額や返済期間に影響する」以外にも、以下のものが挙げられます。 1. 審査に通りにくくなる 住宅ローンの審査において、返済能力は必ずチェックされる項目です。ここである程度の頭金を用意できるのであれば、返済比率が改善するので、返済能力審査においても高ポイントとなる可能性もあるかもしれません。そういった意味でも、できるのであれば少額でも頭金を用意しておくことをおすすめします。 2. 金利変動の影響を受ける(変動金利選択時) 住宅ローンの契約の際に変動金利を選んだ場合は、金利上昇時には負担額が大きくなり、影響を受けます。その影響は借入額が多ければ多いほど大きくなります。住宅ローンは数あるローンの中でも返済期間が長いローンです。今の低金利の水準が今後どこまで続くかは不明であることも意識しておきましょう。 3. 住宅ローンが残っている中で売却しようとした場合、売却金額だけでローン残債を支払えない可能性がある もちろん長く住む予定で購入した住宅であっても、何らかの理由で売却せざるを得ない状況になる可能性もあります。その際、ローンの残債があまりにも大きいと売却金額だけでは完済できないことも十分に考えられます。売却の際に追加の費用負担が発生することはできるだけ避けたいものです。 そういった意味でも、住宅ローンの返済計画においては、できるだけ繰上げ返済を行うなどして、早めに残債を減らすことを心がけるようにしてください。
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