パナソニックホームズ(大阪府豊中市)は、ニュージーランドのワイカト地方において、現地建設会社のマイクグリアコマーシャル社(MGC社)と協働で、同社供給のプレハブ住宅部材を用いた試作棟の上棟工事を2020年9月29日から10月1日にかけて実施した。今後、内装工事・最終検査を経て、1月22日に完成を予定している。
試作棟は、日本国内向け大型パネル構造(F構法)の住宅部材を採用した平屋住宅。延床面積は88m2(26.62坪)。工場であらかじめサッシなどを組み込んだ外壁パネルと、屋根、床パネルを組み立てることで、現場作業を最小限に抑制しており、ニュージーランドの一般的な住宅建築と比較して、最大で約4カ月の工期短縮が見込めるという。
このほどの上棟工事にあたっては、コロナ禍におけるニュージーランド政府の入国規制の下、同社技術者が日本からリモートで、MGC社建設担当者へ建築技術指導を行った。現地への通信手段には、映像のほか、画面上に直接文字などを描けるスマートフォン用リモートガイダンスアプリを使用し、工程別にアプリを通じて画面共有しながら工事を推進したという。プレハブ住宅部材の海外向け供給と、リモートによる建築技術指導での上棟工事は、同社初の試みとなる。その模様を動画コンテンツとしてまとめ、YouTubeで公開している。
同社独自の大型パネル構造(F構法)は、戸建て住宅や賃貸住宅向けの構法で、外壁や床、屋根などのパネルをボルトとジョイント金具で一体化させた強固なブロック体。構造体全体で荷重を受け止める「モノコック構造」となっている。90cmモジュール設計で、あらかじめ工場でサッシや換気口まで組み込まれた外壁などの大型部材を建築現場に搬入。クレーンなどで正確・迅速に組み立てることで、建築現場での省力化を実現するという。