「住宅FCへの加盟」VS「自社での商品開発」のポイントと選択基準

出典: https://www.s-housing.jp/archives/218039

新建ハウジングが運営する工務店向けオンライスクールサイト「チカラボ」から、工務店の経営者や実務者に役立つ記事をお届けします。
今回は、戸谷信彦さんの「ブランディングカレッジ」ルームからの記事です。


 

 

 
戸谷 信彦

1965年群馬県生まれ。プロダクトデザイナーから、建築業界へ転身。営業設計や建築プランナーの実務経験を生かし、実践的な絵の書き方、図の表し方、スケッチ技術等を指導している。

 
 
 


 


 

こんにちは。
ネクストプラスの戸谷です。

この連載では「中小工務店が自社ブランディングを確立して、行列のできる工務店になる方法」についてお伝えしています。

ご存じの方もいると思いますが、私はStyleDesignというデザインに強みのある規格住宅フランチャイズ本部を立ち上げています。ほかにもクライアントのブランディング支援のうち約半数が、自社で規格住宅を立ち上げるプロジェクトだったりしています。

ではなぜこの数年、規格住宅の開発や住宅フランチャイズの立ち上げのニーズが増し続けているのでしょうか?

もしかしたらあなたの会社でも規格住宅の開発検討や、住宅フランチャイズやボランタリーチェーンへの加盟を検討しているかもしれません。そこで今回はブランディングの観点から住宅フランチャイズと商品の自社開発の関係について考えていこうと思います。


【目次】

 1:なぜいま住宅フランチャイズが見直されているのか?
 2:自社で商品開発を成功させるポイントとは?
 3:まとめ

1:なぜいま住宅フランチャイズが見直されているのか?

私がStyleDesignを立ち上げたのも、お会いする工務店の社長仲間から「商品をつくってほしい」の依頼が多かったからです。また今年も「自社で規格住宅をつくり、ブランディングしたい」という相談が多数寄せられています。

なぜ今住宅フランチャイズ熱が高まっているのでしょうか?その背景には「分かりやすい商品」が集客とブランディングに直結するという現実があります。ではまずその理由についてお伝えしていきます。

一つは消費者が家づくりを考え始めたときの行動の変化が考えられます。まず下記を見てください。こちらが一昔前の消費者が来場するときの行動導線になります。

以前はどんな会社なのか?どんな家づくりを得意としているのか?どんなデザインや特徴があるのか?などあまり調べず、チラシを見て近くで暇だったり、検討しているエリアで見学会などがあればとりあえず参加してみるという行動をしていました。

一方でスマホが普及し、デジタルネイティブと言われるインターネットを使いこなすゆとり世代の家族の行動は一変しました。とにかくスマホで検索してホームページで施工事例をよく見て、どんな家づくりをしているのか?自分たちが欲しい家が建てられそうか?をしっかり比較検討するようになりました。

現在インターネット上ではすぐに膨大な商品を確認することができます。さらに比較情報サイトと呼ばれるまとめページが存在するくらい、比較することが当たり前の世の中になりました。あなたも価格.comや最安値.comといった価格の比較サイトを使ったことがあると思います。

先ほど価格.comや最安値.comの名前を出しましたが、検索して比較検討するためには「商品」が必要です。

工務店の商品は住宅なのですが「要望に合わせてどんな家でもつくれます。価格は要望次第です。」というのは商品ではありません。デザインや材料、価格や購入までの流れが決まっているものが商品です。

消費者はいくつかのサイトを見て、自分の好みや条件に合った「商品」(住宅)を建てている会社に行きます。この「商品」を提供するのが住宅フランチャイズなのです。

より魅力的で、集客力があり、売りやすく、利益が出る「商品」をつくるには、消費者からは見えない部分も重要です。たとえば、営業ツールや帳票類、打合せのルールやトークスクリプト。設計や発注のルール、業者への支払いや施工マニュアルなど多岐にわたりますよね。

これらすべてを自社でおこなえる工務店は多くありません。だからこそ30歳前後のゆとり世代のニーズに合った住宅フランチャイズへの注目が高まりを見せているわけです。

2:自社で商品開発を成功させるポイントとは?

一方で自社の文化や方向性にぴったりの住宅フランチャイズが見つからず、自社で商品開発に取り組む工務店も増えてきています。弊社でも複数の商品開発プロジェクト支援が並行して動いています。

自分たちで好きなように商品をつくるのは一見魅力的に見えます。しかし前章でお伝えした通り、やるべきことが多くて非常に大変なことも事実です。

そして一番難しいのが「売れる商品」に仕上げることです。まず魅力的で好きな人が多い外観や間取りをつくり、求められる仕様と設備を兼ね備えつつ、競争力のある価格を設定する。

ここまでは普段の業務と同じ作業なので意外に上手くできる工務店が多かったりします。しかしほとんどの工務店がせっかく開発した商品を魅力的に見せるところでつまづいてしまいます。

具体的にはロゴマークやネーミング、チラシやホームページです。つまりマーケティングとブランディングの領域です。せっかく開発した商品も、魅せ方を間違うとまったく集客できず売れない商品になってしまいます。

住宅フランチャイズはこの辺りに強みを発揮します。逆に言えばマーケティングやブランディングに自信のある工務店はぜひ自社で商品を開発してください。

3:まとめ

今回は「商品」を持つことの重要性と、売れる商品開発を軸に「住宅フランチャイズ」と「自社開発」について考えてきました。これからの時代は「商品」を打ち出すことが必須になります。

もしあなたの会社が商品開発を考えている場合、自社ですべてを開発するか?住宅フランチャイズを上手く活用したほうが良いのか?自社の状況や強みを考えて選択してください。

そしてこれから打ち出す商品が会社のブランディングに直結するので、ぜひ慎重に、でも大胆に取り組んでください。

 
■追伸1■

StyleDesignの情報はコチラ
https://www.sd-house.jp/

 
■追伸2■

自社の「ブランディング」について話を聞きたい!「商品開発」の相談をしたい!という方は、私が月に1回「東京」「福岡」「オンライン」で開催している【個別相談室】にぜひ予約を入れてください。しっかりお話を伺い最適なアドバイスをさせていただきます。

完全無料で1時間30分、何でも相談可能です。下記のURLから予約可能です。
https://www.next-plus.co.jp/consultation/

▼戸谷信彦さんの他の記事はこちらのルームから▼
ブランディングカレッジ


 

「チカラボ」とは?
https://chikalab.net/about
 
チカラボ公式サイトはこちらから

 

PR

関連記事

  1. 不動産政策の方針転換進む、住宅購入を促進 中国・建設・不動産 – NNA ASIA

  2. 1カ月ほどで家を建てる住宅建築ロボットのDiamond Ageが58.6億円を調達 – TechCrunch Japan

  3. CO2排出ゼロの賃貸住宅を実現/三菱地所レジデンス/「ハビオ」にスキーム標準化 – 日刊建設通信新聞

  4. 新しい住まいが希望を与える 中国各地で進む住宅改築プロジェクト – AFPBB News

  5. 「こどもみらい住宅支援事業」とは? 低炭素社会の実現と子育て世帯の応援を目的とした補助金制度を解説 – LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)

  6. 日本で家を買うには?住宅購入の手続きとローン、相場など5つのポイント

Google検索

掲載製品について

当サイトに掲載の商品情報は廃番製品も含まれています。過去に販売されていた情報も貴重との判断から掲載しておりますので、予めご了承下さい。
  1. 日射量予報と連携する昼間沸上げ形「おひさまエコキュート」を業界…

    2024.08.23

  2. LIXIL、ショールーム〝予約なし客〟対応を強化=タブレットでオンラ…

    2024.08.14

  3. パナソニックハウジングソリューションズ、マンションリノベ商材強…

    2024.08.05

  4. パナソニックのリフォーム事例コンテスト「デザインアワード」全国…

    2024.08.05

  5. 大建工業、「Black+」拡充で室内物干し「ものほし上手 薄型簡易タイ…

    2024.08.05

  6. 小規模共同住宅用エレベーター「リベルタージュ(TM)Ui」を発売 省…

    2024.08.01

  7. カツデン、富裕層ターゲットに箱段板階段「グラディア」発売=重厚感…

    2024.07.31

  8. YKKAPの木製窓「APW 651」、「選択肢広がる」とハウスメーカー=木製…

    2024.07.30

  9. 三協立山2024年5月期決算、建材事業は販売数量減で減収=営業損益は…

    2024.07.29

  10. 三協立山・三協アルミ社、2025年に複合窓の新製品=現行2ブランドを…

    2024.07.24

  1. 登録されている記事はございません。

スポンサー広告