西日本グッドパートナー(大分市、髙倉健一社長)は「資産価値の落ちない、くらしつづける価値のある家づくり」を理念に据え、住宅事業を展開している。
年間新築棟数が80棟を超える規模ながら、地域に根差した住宅会社として複数ブランド展開を行い、耐震性、断熱性、そして、デザイン性の高い三位一体の高付加価値の家づくりを手掛ける。
そんな同社の住宅事業を牽引する副社長の髙倉潤さんに話を伺った。
同社は地域に根差した住宅会社でありながら、売上構成比が多様であることが特徴的だ。注文住宅だけでなく、商品展開や価格帯を含め、地域のあらゆるニーズに応えている。自然のエネルギーを最大に活用するパッシブデザインなどの新築注文が50棟、分譲が20棟、そのほかMUJI HOUSE(東京都豊島区)が運営する「無印良品の家」ネットワーク・パートナーとして「無印良品の家」を15棟手掛けているという。
住宅事業部の責任者で同社副社長の髙倉潤さんは「一般的に80棟を超える棟数を手掛ける住宅会社は間口を広げるために“フランチャイズのデパート”として、あらゆる商品展開をする。しかし、当社が実現したいのは、理念に据えている『資産価値の落ちない、くらしつづける価値のある家づくり』である」と述べる。
その上で髙倉さんは「理念に合致する商品展開として、ロングライフデザインの無印、1800万円から手に入る性能にこだわった分譲、パッシブや意匠性に優れた2200万~2500万円の注文、そしてハイクラスの3500万~4000万円の注文で商品展開をしている」と語る。大きくわけて3つのプロダクトを展開し、地域のあらゆる顧客層にリーチを拡大しながらも、その首尾一貫性のある“資産価値の高い家づくり”をしていることで支持を集めている。
パッシブにはSE構法がマスト
同社は、分譲住宅を含めて全棟構造計算を実施し、耐震等級3、耐風等級2を標準化させている。同社によるとZEH普及率は毎年高い推移で上昇。2016年から16%、21%、30%、43%、昨年は68%を達成した。2014年からは、エヌ・シー・エヌ(東京都港区、 田鎖郁男社長)の耐震構法 「SE構法」を採用した。2018年には、「重量木骨プレミアムパートナー」に選出されている。
髙倉さんは「SE構法」について「プロダクトには欠かすことのできないものだ」と強調。大分という地域の特性上、予算が取れれば、敷地条件に融通が利くため、大きな土地で庭をとって大開口を要望する顧客が多いという。髙倉さんは「高い階高や開放的な開口部と性能の両立を考えながら、パッシブデザインを実現するには必然的にSE構法がマストになる」とし、「エヌ・シー・エヌは設計をサポートしてくれる体制が心強い。とくにハイクラスの顧客であると、通常の在来では実現不可能な意匠性と構造が求められるが、そんな時でも構造計算や省エネ計算で支援しワンストップで助言してくれる。いち中小企業では補うことのできない側面をサポートしてくれるため、我々は商品開発や企画に集中することができる」と語る。
資産価値の高い家づくりを
今後、同社の設計力を生かし、より潜在的高付加価値層へのアプローチを強化するため、早ければ5月には重量木骨事業を別事業部として切り離す計画という。受注棟数や売上、会社規模が大きくなったとしても、これまで以上の資産価値の高い家づくりを貫いていくための体制を強化する。
髙倉さんは「安心で安全な家をつくり社会的な資産として性能を担保するのが住宅会社の責任。一社だけでは実現できないことをエヌ・シー・エヌと協業しながら具現化することで顧客の期待に応えていきたい」と話す。