アブラヤシ廃材を活用した再生木質ボード化技術を開発

出典:パナソニック:住宅関連 https://news.panasonic.com/jp/press/jn211115-1

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パナソニック株式会社 ハウジングシステム事業部(以下、当社)は、業界で初めて(※2)アブラヤシの廃材を活用した再生木質ボード化技術を開発しました。

アブラヤシの果実から採取されたパーム油は、食用油や洗剤の原料として多岐にわたって使用されており、商業作物としてマレーシアやインドネシアなどの東南アジア諸国で大規模に栽培されています。
しかし、25~30年の収穫期間を終えて伐採されたアブラヤシの廃材の多くは農園内に放置され、腐敗時に、メタンガスを含む温室効果ガスが発生することが問題視されています。メタンガスの温室効果は二酸化炭素(CO2)の約25倍と言われています。そのため、アブラヤシ廃材の活用は温室効果ガス削減の有効な解決策となります。また、世界的に木材資源の減少が深刻化する中、未利用資源であるアブラヤシ廃材由来の再生木質ボードは従来の木質ボードの代替品として高い利用価値を有しています。

当社は、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム「SATREPS(サトレップス)」(※3)の研究課題(日本とマレーシアの2国間プロジェクト)(※4)に参画し、アブラヤシ廃材の有効活用策として再生木質ボードの開発に取り組んできました。アブラヤシ廃材は水分が多く腐りやすいなどの特性から活用が困難とされていました。そこで、当社は不純物を洗浄工程により除去し、抽出した長繊維を圧縮成形する独自の中間材を用いた再生木質ボード化技術を開発。品質の安定したボードへ再生することに成功しました。中間材化することで輸送性・保管性も向上するため、遠隔地のボード工場でも従来の木質ボード原料と同じように使用することが可能となります。また、原料の海上輸送の効率化による温室効果ガス削減にも貢献します。

当社は、地球温暖化防止の取り組みを速やかに波及させていくため、規模が大きく成長の著しいアジア家具市場に着目しました(2020年度のアジアの家具市場は年間26兆円(※5))。
まずは、日本国内家具市場への導入に取り組みます。22年春に、国内家具製造業者へ再生木質ボードを提供し、株式会社 大塚家具、株式会社 東京インテリア家具と協働して受容性検証を開始、23年度以降は家具市場以外へも用途を拡大し、さらに海外市場へと展開していく予定です。

当社は、快適性の高いくらし空間を提供するとともに、事業を通じて地球環境問題の改善に貢献していきます。なお、当社は本技術について「アジア・ファニシング・フェア 2021(会場:東京ビッグサイト、会期:2021年11月17日~2021年11月19日)」に出展します。

独自の中間材を用いた再生木質ボード化技術を開発

<特長>

1. 当社独自の中間材化技術により、アブラヤシ廃材を再生木質ボードにアップサイクル

2. 中間材化により、輸送性・保管性が高まり世界各地の既存木質ボード工場で生産が可能

3. アブラヤシ農園内の新たな資源循環を促し、パーム油産業の持続的発展にも寄与

  • ※1:SATREPSの国内ラボスケール実験結果。メタンガスはCO2の約25倍の温室効果とし、CO2換算値で表示。
  • ※2:2021年11月 当社調べ
  • ※3:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)並びに国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が、開発途上国の研究者と共同で研究を行う3~5年間のプログラム。
  • ※4:「オイルパーム農園の持続的土地利用と再生を目指したオイルパーム古木への高付加価値化技術の開発」
    研究代表 国際農林水産業研究センター(JIRCAS)小杉昭彦氏
  • ※5:市場調査会社 CSIL Centre for Industrial Studies 世界の家具市場2020より

【お問い合わせ先】

ハウジングシステム事業部 イノベーション本部 新基材事業開発プロジェクト
電話:06-6906-7033

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