上海で開催されたキッチンバス展示会の視察ご報告です。会場面積の大きさや出展者、来場者の数もさることながら中国の技術力の進歩を感じられた展示会でした。ジャパンクオリティー、プライドは過去のものかも知れないと思わせる視察でした。随時展示会内容を公開、更新してまいります。
- 名称:第23回中国国際キッチン&バス設備展示会 Kitchen & Bath China 2019
- China Building & Construction Trade Fair & Its Sister Themes Fair
- 開催年月日:2019年5月27日~30日
- 展示会会場:上海新国際博覧中心(Shanghai New International Expo Center、SNIEC) 所在地:上海浦東龍陽路2345号
- 展示会場面積:約128,700㎡(東京ビックサイト展示面積は約95,000㎡)
- 出展者数:約4500社(2018年)(ジャパンホーム&ビルディングショーは約1200社)
会場マップ
E3:インテリジェントサニタリー用品、水栓、建具
E4・E5:バスルーム、家具
E6:バスルーム家具、シャワーブース、サウナルーム、バスタブ
E7:シャワーブース、建具
N1・N5:キッチンキャビネット・電化製品
N2:キッチンキャビネット&器具、シンク、人造石
N3・N4キッチンキャビネット&電化製品、建具
W3:水栓、継手
W4・W5:水栓、建具、換気扇
出展製品の傾向
Eキッチン取扱い製品カテゴリーで注目した製品をご紹介します。
キッチンシンク
スクエア(手板金)シンク
フランジ部を平板としてスクエアシンクが目立ちました。Eキッチン取扱いの米国KOHLERシンクも同じ様に平板となっています。日本国内でも今後増えるものと考えれれます。4方コーナー部はピン角に近いものでしたが研磨痕なども若干見られました。しかし、加工後術が向上しているのは間違いなさそうです。
人造石カラーシンク
クォールストーン(人造石)シンクの出展が多くありました。カラーや形状も多く人造石シンクに人気が出てきている様です。ステンレスに替わるカラーシンクとしてコスト的にも選択しやすいでしょう。
カウンター(素材)
クオーツストーン・人造石
人工大理石に替わる素材として日本でも販売されているクオーツストーン。人工大理石コーリアンの出展は見られましたがその他ブランドは気が付きませんでしたm(_ _)m クオーツストーンが目立ちました。天然石材の使用が多いことから加工工場には困らなそうです。
建具・扉
収納部材
システムキッチンメーカー「不在」中国と米国はほぼ同じ製造方式
日本ではシステムキッチンメーカーが主流。しかし米国と同じくカウンター、シンク、扉・キャビネット、設備機器など各パーツを選び、組み合わせてカスタムメイドするキッチンづくりが主流です。一部ヨーロッパのキッチンメーカーの出展が見られましたが、各パーツ機器メーカーの出展がほとんどでした。
シンクメーカーや扉・キャビネットメーカー・カウンターメーカーがこんなに有るのかと驚かされます。日本の工務店・ビルダーは、システムキッチンメーカーにほぼ丸投げ状態を考えると日本が特殊なのだと改めて認識しました。米国のホームデポ(大工センター)で、住宅まるまる造れる資材、機器が販売されているのと同じ様に設備機器・パーツを専門で販売するショッピングモールが多く存在する事でも理解できます。
建主と建築業者はシンクやコンロ、レンジフードなど専門のショッピングモールで好みの部材機器を選び、建主が直接購入し、建築業者は施工のみを請け負う事がほとんどだそうです。
すべて任せると偽物を使う悪徳業者も存在するとか!(笑)
日本出展メーカー
TOTO・Panasnic・FUJIOH(富士工業)・丸一・シゲル工業・SANEI(三栄水栓)・KVK
概要
概要(引用:jetro.go.jp)
出展対象品目 キッチン&バス用家具・調度システム、キッチン&洗面所の蛇口、衛生陶器、シャワーボックス、ユニットバス、建築·建設資材、グリーンビルディング材料、ハードウェア、インストール·ツール、暖房工学、換気システム、ソーラー暖房システム、その他 ご来場の方へ 入場資格 : ビジネス関係者&一般
入場方法 : 公式ウェブサイトからの事前登録 / 当日会場で登録もしくはチケット入手主催者 Worldwide Exhibitions Service Co., Ltd.(WES)
住所 : 上海市江寧路167号新城大厦24階
Tel : +86-21-3222-4777
Telは国際電話用の国番号から表示されています。主催者より 本展示会も1996年の第1回目より数え、来年度は24回目を迎えることになりました。
2018年6月の開催は、お陰様で来場者173,459名様の方々に足を運んでいただきました。
成約額は193.99億元(アンケート(回答率68.56%)による)に達しており、日本円に換算すると、約3170億円(人民元/円の為替レートは、http://murc-kawasesouba.jp/fx/index.php を参照)になります。キッチン&バス設備関連の展示会に於きましては、年々、回を増すごとに中国及び世界最大規模のイベントとして、内外から注目され大きく進化し、成長してきております。業種
- 建築/建築・建設、不動産
- 建築/衛生設備、空調、給排水、照明
- 生活/家具・インテリア用品
- 基礎産業/鉱物、土石、ガラス、セラミック
- 生活/防災、警備、消防、防衛
- 機械・工業技術/電気・電子(製品、機器)
過去の実績 2018年実績
来場者数 : 173459人 (うち海外から:3335 人)
出展社数 : 4587社 (うち海外から:269 社)
展示面積 : 128,775 sq.m.
過去の実績は同時開催/併催展を含む場合もあります。
コラム
会場内で写真撮影ができるか?見学前に気にしていました。まったく問題無く撮影OKです。日本国内の展示会では「会場内撮影禁止」が、今でもたくさんあります。現物を見るために展示会に行っても、気になる製品の写真が取れないのは来場者としてとても残念です。出展者は「撮ってください」と云ってくれますが、主催者はいまだに「撮影禁止」です。利権の見え隠れはともかく、中国のコピー商品や物まね品を心配しているうちに抜かれてしまいます・・ました。建材展、ジャパン何とかショーは一刻も早く「撮影OK」にすべきだと思います。来場者への大切な「おもてなし」ではないでしょうか?